入社2か月で会社員としての生涯年収を計算し、絶望した話。
皆さんはこのまま会社員として定年まで働くと、
何円くらい貰えるか、計算したことはありますか?
私は学生時代、お世辞にも金を持っているとは言えず、
昼飯は税込み103円のカップ麺と、100円程度のお菓子で済ましてました。
幸い、実家暮らしだったので、栄養の偏りはシビアではありませんでした。
31歳の今、仮に同じ生活をしたら、確実に生活習慣病まっしぐらです。
金がないくせ、バンド活動は盛んだったので、練習にライブにお金が飛び・・・
いくら大学の学食のバイトを増やしても、財務状況は改善されず・・・・
奨学金というブースト機能を駆使して、学費滞納の恐怖と常に戦っていました。
家庭にも融資は望めなかったので、親名義で銀行から教育ローンを借り、
友達との卒業記念旅行に行ったこともあります。
完全にその影響で、金銭にかなりしっかりした性格、
否、金にガメツい性格になりました。
就職活動で、内定をもらった企業からは、
人事の採用担当から嫌われない範囲で給与・待遇のことを聞き出しまくり。
入社してからも、年齢と役職・給料の情報に対して耳をダンボにしてました。
というのも、それら情報をもとに収支計画を立て、
銀行から借りた教育ローン、親への借金、リボ払いの残高の返済日程を
まとめておく必要があったからです。
これらが完済したときの、肩の荷が下りた感覚は今でも覚えています。
(この時の借金なんて比じゃない借金を、不動産でしますけどね。。。)
私は算数が好きです。
入社後、”そういえば一生のうちで金ってどれくらい貰えるのかな?”
とふと思いつき、なるべく具体的に生涯年収を知りたくなりました。
そこで、自分含めた周囲の社員からの情報を収集し、
(x, y)=(年齢, 年収)の点をいくつかプロットした上で、
以下の条件を仮定して、給与所得のグラフを作りました。
・出世レースに関しては、段々と出世レースが狭き門になることから、
対数曲線で最大年収に収束するもの仮定し、それぞれの係数を設定。
・様々な年収データの点をプロットし、係数を補正していく。
当たり前ですが、企業によって給与テーブル、出世要件は異なります。
ですが、一般的な国内大手企業の場合、給与について
・年功序列で基本的に毎年増大していく
・何回かの大きな出世レースで大きく分岐する
これらルールが適用される場合が多いです。
なので、いろんな年齢の人の給料情報をどうにかして手に入れれば、
自分がその会社で生涯どれくらい貰うのかは、概算できます。
そして出来たのは、こんなグラフです。
(生生しい情報なので、結果のみの数値以外は消してあります。)
グラフを作成したのは、まだ研修中の6月くらいだったと思います。
結果的に、退職するまでほとんどこのシミュレーション通りの数字でした。
この曲線の積分値(X軸とグラフで囲まれた部分の面積)
が、求めたい生涯年収となります。
シミュレーションの結果、4.17億円 となりました。
ぶっちゃけ、この値はサラリーマンの平均からするとだいぶ高いです。さすが大手。
しかし累進課税によって、おそらくこの30%以上は様々な税金で持っていかれます。
私はといえば、この結果を見て、値そのものの大きさよりも、
「自分の人生の枠が決定づけられた」感覚がありました。
5億円のクルーザーは買えません。1億円の家を買ったら、いくら残る?
老後の資金てどれくらい残す・・・などなど。
果たして足りるのか足りないのかわかりませんでしたが、
少なくとも5億のクルーザーを買うのは現実的ではなさそうとわかります。
さらに、ふと会社のトップである「社長」はいくらもらっているんだろう?
と気になって調べました。
確か当時、報酬の総額4.5億円で役員数は9人と書いてありました。
社長はこれに間違いなく含まれます。単純計算だと一人約5,000万円です。
無論、役職によって一律同じではないかと思いますが、
社長で年収5,000万円か・・・・・と。
社長って、年収1億円もらえないの。。。。!?
漠然と、「大企業の社長ってすごいハズ」と思っていたハナたれ小僧にとって、
この事実は軽い絶望を与えました。
このクソ生意気な新入社員が、「社長ってうま味ねぇな」
と感じたのは言うまでもありません。
社長というキラキラしたイメージ。
それは、ソフトバンクの孫正義さんやファーストリテイリングの柳井さん、
そういった方が作ったイメージです。
自分で事業を立ち上げ、株式を保有し、上場させて、夢をつかむ。
誰もが認める、真の成功者です。
このイメージとのギャップを感じずにはいられません。
これは、言うまでもなく創業社長かサラリーマン社長かの違いです。
雇われ社長でもカルロスゴーンさんの様な例がありますが、
一般的に億越えってそんなにいないのではないかと思います。
長く継続している国内の大手企業の社長は、おおよそサラリーマン出身です。
雇われ側が雇う側にシフトチェンジします。よく考えると不思議な制度ですよね。
なので、社長だからってべらぼうに給料(報酬)を貰っているわけではないのです。
あくまでも、新入社員の延長なのですから。
勘違いしてほしくないのですが、
会社員をやめることを推奨しているわけではないです。
その金額に「満足」であればそれでいいのです。
ですが、副業の解禁や年金への不信感などが取りざたされる昨今、
変な期待を捨て、地に足ついて自分の状況を判断することが、
何より大事なのではないでしょうか。
以上