狩猟採集新時代

大手上場企業を不動産投資で脱サラした30代が綴るライフログ

思ったよりもずっとずっとヤバい今の日本の農業の事実

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「農業」と「悠々自適」

「農業」と「晴耕雨読

 

なんとなくイメージ近そうな気がしないですか?

都会の喧騒から離れ、自然豊かなイメージ。。。

 

 

一方、次の組み合わせはどうでしょうか。

 

「農業」と「自動車関税」

「農業」と「人工知能

「農業」と「戦争」

 

これらを考えていかないといけないくらい、

農業は全ての産業に関わっています。

 

 

この記事では、私が農業関係のビジネスを

検討する中でわかったことを

一旦まとめてみたいと思います。

 

 

 

目次:

 


1.農業によって、戦争が生まれる

そもそも、なぜ農業があるのでしょうか。

それは、人間に食料確保以外の時間

用意するためです。

 

 

文明が出来る前、人類はサバンナの動物のように、

一日のうちで必ず数時間を

食料の確保に費やしていました。

 

狩猟採集生活をしていた時代は、

動ける人間全員が食料確保に参加したのです。

勇猛な男たちは狩りに出て動物性たんぱく質を、

女性たちは木の実や植物の採集に勤しみました。

 

 

それが、文明の発達とともに農業が生まれると、

人間は食べ物を求めて移動する必要がなくなり、

同じ箇所に留まって農地を作りました。

農地での栽培は、安定的に食料を確保する、

合理的な手段と考えられたからです。

 

お陰様で、人は食物確保以外の時間が確保でき、

道具の発明、教育、各種サービスなどの

役割ある社会が生まれたのです。

最終的に、リーダーシップある人間が政治を担い、

政治的階級を確立し、王国を作ることもできました。

 

 

その一方で、他の事も考える必要がありました。

農地で取れる作物を、他の集団から守るため、

農地を含む集落を塀で囲んだり

作物を盗まれないか見張る必要が出てきました。

 

農業では、現代でも天候や伝染病で、

不作になってしまうこともあります。

栽培技術が無かった昔であれば、なおさらです。

 

結果として、

農作物が取れなくなった集落の人間は、

生きるために他の集落の作物を奪う必要がありました。

 

 

古代の戦争はほとんど全て、

農業に関連した戦争だったとも言えます。

みんな生きるために必死だったのです。

 

農業の発展は、国家の発展に繋がりました。

ですが、農業を始めずに狩猟採集生活のままだったら、

起こらなかった戦争もあると思います。

 

※そういった人類の歴史に関する参考記事↓

歴史嫌いの理系の諸君、いいから歴史を学べ - 狩猟採集新時代

 

 

 

 

2.世界的な食料不足で真っ先に死ぬ日本

現代になり、食料が原因で起こる戦争は、

さすがに少なくなりました。

しかし、資源が原因で起こる戦争は未だにあります。

湾岸戦争なんかがいい例です。

 

ただ、現代においてさえも

世界的な食糧難が起こってしまったとき、

食料が原因で戦争が起こる可能性は

決して低くないと考えています。

 

 

新型コロナウィルスによる食料への打撃は、

今のところなさそうですが、

今後、そうした疫病が農作物に蔓延したら

食糧事情はどうなるのでしょうか。

 

 

我々がエネルギー源として食べている穀物は、

世界全体をみても、

わずか十数種類の品種を

栽培しやすいようにクローン化したもの

で構成されています。

(ロブ・ダン著「世界からバナナが無くなる前に」より)

 

そのため、ひとたび致命的な伝染が蔓延すると、

170年前に起こったアイルランドのジャガイモ飢饉

アイルランド国民の20%が飢え死にしたように、

甚大な被害をもたらすリスクがあります。

 

農作物のクローン化のせいで、

新しい病原菌への耐性が付く前に、

バタバタと枯れて腐ってしまうのです。

 

 

現代においては、170年前のアイルランドとは違い、

お互いに国際的な協力関係が結ばれているため、

飢饉が起こりそうな場合は、

輸入食物に頼ることもできるでしょう。

 

しかし、全世界的な食糧危機が起きた場合、

食料の輸出国は、自国民への食料供給を優先し、

自国の作物を外に出す余裕は無くなります。

今回のコロナ騒動で、国境をこえた

病原菌の拡散スピードを裏付けてしまいました。 

 

日本の食料自給率はせいぜい40%程度です。

幸い、コメの自給率は100%近いですが、

肉は50%、大豆はたったの7%です。

 

 

・・・

これが何を意味するか、分かると思います。

・伝染病が爆発的に蔓延するリスクがある

・食糧危機が起こった国は自国の食料確保優先

・日本の食料は輸入頼み

 

世界的な食糧不足になったとき、

先進国であるはずの日本で、

食糧危機が発生する恐れすらあるのです。

 

 

 

 

3.さらにヤバい事実を知って頂きたい

食料確保における悲観的な事実は、

既にいろんな人が提示しています。

 

自給率を100%まで挙げるのは

すぐにできることではありません。

しかし、今は40%をキープできるのか、

それすら怪しいのです。

 

 

日本において、農業従事者の平均年齢は

65歳を超えて高齢化しています。

サラリーマンで言えば、年金生活をしている年です。

 

いくら農作業している

おじいちゃんおばあちゃんが健康とはいえ、

80歳、90歳までは働けないでしょう。

近い将来、深刻な人手不足が訪れます。

 

 

農業の人手不足は今に始まったことではないので、

栽培現場も高効率化されているのも事実です。

 

農場へのAIやロボットの投入は、

ヨーロッパでは既に始まっています。

日本でも、技術的に出来ないわけではなく、

大規模な農家さんから導入しています。

 

 

しかし、国内農家の大部分は小規模なので、

ロボットを自費で導入する費用なんてありません。

国家や自治体が主導となって、

農家への導入をサポートするか、

国営の大規模な農場でも作るかしないと、

自給率は下がるばかりです。

 

 

また、さらにネガティブ情報ですが、

昨年11月、アメリカとの貿易協定で、

アメリカから輸入される食品に関する

関税が撤廃されました。

日本の自動車関税はそのままだったのに。。

 

結果、日本により安い農作物が入ってきます。

家庭は、自給率なんかつゆしらず、

容赦なく安い食料を求めます。

 

つまり、輸入食料に依存してより自給率が下がります。

日本政府は何がしたいのかわかりません。 

 

 

※貿易・為替に関連する記事↓

「日本は素晴らしいから観光客が多い」という嘘を信じる人へ - 狩猟採集新時代

 

まさに、負のスパイラルですよね。

既に、農林水産省や大手企業は

こうした事態を把握して腰を上げていますが、

日本社会全体で、

より一層シビアに考えていく必要がありそうです。

 

 

 

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このように、農業について学べば学ぶほど、

日本には問題が山積みであることがわかりました。

 

 

しかし裏を返せば、ビジネスとして

大きなブルーオーシャンである、

ということが出来ます。

なので、私は農業関連ビジネスに興味があります。

 

 

さらに、食べ物が要らないひとがいないように、

農業は全ての人に必要不可欠な分野です。

もともと私は、就活の時、

「人に絶対に必要とされることをやる」

という目的で、インフラ業界を志望していました。

 

 

これから、農業トピックもまとめて、

発信していければと思います。

 

 

 

あ、ちなみに私は自給率を上げるためとは言え、

和牛チケットの配布には反対ですよ~。

 

 

以上