マイナス70度の世界に踏み入れて秒単位で命の危険を感じた体験談
最近、いきなり暑くなりやがりましたよね。
私の生まれ育った町、
埼玉県の熊谷というところは、
夏は40℃を越える日があり、
2018年の猛暑では、41.1℃という日本記録があります。
ちなみに、40℃越えの日に太陽の下に出ると、
"うっすらとした寒さ" を感じます。
ちょっと怖い話みたいですね。。
そんな熊谷の老舗デパート「八木橋」の前には、
毎年夏前になると、
摂氏50℃まで計測できる巨大温度計が設置されます。
「夏クソ暑い」というのは、
人が住む町として誰も得しない特性ですが、
おかげで、自分の出身地を説明するとき、
"あ~あの暑いところ!"と、知名度が高くて助かります。
さて、いずれにせよ夏の暑さは勘弁してほしいもの。
特に、ファッキン新コロのせいでマスクをつけながらの猛暑は、
熱中症待ったなしの状況です。
少しでも、気持ちだけでも涼しくなりたい・・・!
そこで、今回の記事では、
涼しさを遥かに通り過ぎた「極寒の世界」について、
記していきたいと思います。
皆様が少しでも涼しい気分になれば幸いです。
1.人間が体験できる「極寒」の限界とは?
関東を含む日本の多くの地域では、
冬に氷点下になるかどうかという気候だと思います。
ちなみに、先ほどのクソ暑い熊谷では
冬にマイナス5度を下回ることもあり、
夏暑くて冬はかなり寒いハードモードになっています。
しかし、同じ日本でも東北地方や北海道はレベルが違います。
北海道の内陸部ではマイナス20℃はザラでしょう。
なので、極寒の国に行かなくても、冬の北海道に行けば、
吐いた息が口の前でパチパチと凍ったり、
ダイヤモンドダスト(大気中の水蒸気が昇華する現象)
を観察することができる様です。恐ろしや。
ちなみに歴史上の記録によれば、明治時代に
北海道旭川でマイナス41℃を観測したようです。
想像を絶するレベルですね。
ちなみに、地球まで視野を広げると、
マイナス89.2 ℃が記録されたようです。
もはや意味不明ですね。
昼寝とかしたら、簡単にポックリとイきそうです。
ちなみに、地球を離れて、お隣の月まで話を広げると、
月面の夜の気温はマイナス150℃らしいです。
宇宙ってほんとハンパねぇ。
2."マイナス70℃"を体験したサラリーマン
そんな、「超極寒」の世界。
偶然前職で体験したことがあるので、
その時のことを記したいと思います。
営業部時代、お客さんとの接待を企画した際、
とある機会で東京湾の港湾地帯にあるマグロの冷凍倉庫に
入れるチャンスがありました。
なんと、その倉庫の温度は
マイナス70℃に管理されている様です。
ただマグロを冷凍保管するだけなのに、
なぜこんな超低温が必要なのかというと、
冷凍すると、体組織が凍り付く過程で質が落ちます。
つまり、いかに瞬間的に0℃付近の温度帯を通過させ、
冷凍状態にマグロをもっていくかが、
高級マグロを保管する上で大事なようです。
私は当日、接待の緊張感の中に、
とてもワクワクして臨んだのを覚えています。
その日、季節は初夏だったため、
参加者全員が、比較的薄着で倉庫内に足を踏み入れました。
メインの空間の前室に入った途端、
「さむっ」
温度はマイナス15℃。
前方のメインの扉には、厳重な雰囲気が漂っています。
AKIRAが保管されているような、
オリンピック建設現場を彷彿とさせます。
外の気温は30℃近かったので、
心臓の弱い人は注意しないといけない温度差。
冷凍マグロ屋さんは、過酷な職場です。
よくよく見たら、案内役のお姉さんは
結構厚手の服を着ています。マジかよ。。。
間もなくメインのドアが開かれました。
そこには、カチンコチンに真っ白に凍り付いた
冷凍マグロちゃんの姿が・・・!
ちなみに1匹でベンツが買えるくらいのお値段だそう。。。
私は、倉庫の中のほうに進んで、驚きました。
「寒い」よりも「静か」
という印象が強いのです。
もちろん、倉庫の壁は厳重に保冷されているので、
外の音は聞こえにくいのは当たり前なんですが、
涼しいという感覚よりも神秘的なものを感じました。
吸い込む空気が極限まで澄み渡っているように感じます。
そして、入って10秒くらい経ってから、
「あ、これは死ぬヤツ♪」という感覚が襲ってきます。
マグロを盗んで売っちゃおう★なんて、
小学生レベルのジョーク考える余裕は一切なくなります。
入室から刻一刻と、体の状態が変化します。
以下、時系列で記しましょう。
15秒後:服全体がひんやりしているのを感じる。
20秒後:いや、服じゃなくて体の表面も冷たい!
25秒後:こ、これはもう出たいな・・・・
30秒後:鼻の穴が痛ぇ!!口も開けたらヤバイ気がする!!
35秒後:俺も・・・・あのカチコチのマグロのように・・・
40秒後:・・・ハヤク・・・ハヤクダシテ・・・・
(メインドア、開扉・・・!!)
45秒後:外、あったけぇ~~~~~~~~!!!
皆、時間終了間際には
逃げるように部屋を出ていきました。
最初、"中に入るのは1分弱です" と言われ、
え~~~それだけかぁ~~~と思っていましたが、
十分です。大いに味わえます。
"寒すぎると死ぬんだな"
という当たり前のことが当たり前に体験できました。
この生涯で、もし極寒の場所に行く場合、
寒さ対策を怠らないようにしようと決心しました。
シュラフの質をケチったせいで、寒すぎて寝れなかったのは、
どこの愚か者でしょう。人は学ばない生き物ですね。
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3.マイナス70度はどうやって体験できるの?
マイナス70℃の世界は、明らかに非日常でした。
しかし、マグロ倉庫については、
残念ながら一般開放されておらず、
関係者と接点を作らない限り、入るのが難しいかと思います。
もし「超極寒」を体験したい人がいたら、
体験する方法はあるのでしょうか?
それが・・・、あるんです!
新コロで旅行が難しい昨今ですが、
誰でもマイナス70℃を体験するチャンスがあります。
それは、ロシアにある
「オイミャコン村」
を訪問することです。かつてこの地域では、
マイナス72℃を記録したこともあり、
冬場はマイナス50℃以下になることがザラの様です。
・車や機械のエンジンを止めると凍結するので、
エンジンは冬の間ずっとつけっぱなし
・ウィルスや細菌が生息できないレベルなので、
住民は滅多に病気にならない
など、極寒地域での生活は、
我々の常識からかなりかけ離れた生活ではあるものの、
数百人の人たちが暮らしている様です。
オイミャコン村訪問ツアーなんかも組まれているようなので、
南極に行くよりも簡単に行けることは間違いありません。
(南極も、沿岸部はそこまで温度は下がらないようです。
内陸部こそ、一般人は行けませんからね。。。。)
寒い時期にわざわざ寒いところに行くのは、
本当のモノ好きだと思いますが、
自分の体験が間違いなく広がると思いますよ!
暑い夏を、極寒の旅の妄想で乗り切りましょう。
以上