狩猟採集新時代

大手上場企業を不動産投資で脱サラした30代が綴るライフログ

「TOEICなんかでは正しい英語力は図れない」とヌカしている人々へ

こういった発言、

まずは努力してから言うべきだと思います。

 

 

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大学生のころ、私は理系の学部だったのですが、

授業がスタートする前のオリエンテーションの初日、

今日みたいなうららかな春の日差しを受けながら、熊谷から上京し、

意味も分からなく英語の試験を受けました。

その名もTOEIC

 

 

まず驚いたのは、その問題用紙の厚さ。

しかも、英語の試験なので試験問題が英語なのは当たり前ですが、

設問の文章や注意事項まで全部英語。ちょっとしたカルチャーショック。

 

 

石の通貨がやっと日本円に変わったくらいの熊谷という町で

ローカルな18年間を過ごした私にとって、

このTOEICの受験は、上京した十代のガキに真のグローバルを体験させました。

「このテストは日本人向けどころか、世界の人が受験するものなのだ」と。

 

以来、バカ正直なわたしは「TOEICはワールドワイドな英語力を計測する基準」

くらいに思って、定期的に大学で行われるテストに臨んでいました。

 

 

 

ですが、段々とこういう話を耳にするわけです。

TOEICが出来ても、実際に使える真の英語力は身につかない」

TOEICは実英語力を計測するものとしては適切ではない」

バカ正直だった私は、再びショックを受けました。

鼻をたらしながら、”そうかぁ、みんな英語のテストに詳しいなあ”と。 

 

 

ぶっちゃけ、帰国子女だったら大した勉強をせずに

初見でTOEIC800点くらいは取れると思います。

ですが、日本人で構成された普通の家庭で生まれ育ち、

義務教育課程で英語は受験勉強だけやってきた人にとって、

800点台は、ある程度努力しなきゃとれないんですよ。

 

確かに英語力を計測するテストは、TOEIC以外にもいっぱいあります。

TOEFL、IELTS、TOEIC S&W、それぞれの違いは、

もっと細かな説明をしている他のサイトや記事に譲ります。

確かに、海外の大学の進学の審査にあたり、

TOEICが使われることは少ないと思います。

 

 

ではなぜ、未だに国内の企業が、採用の際にTOEICのスコアを参考にしているのか。 

「グローバル社会の中で、日本の採用基準は時代遅れだから」と結論するのは

いささか早計です。

 

国内の、特に大手企業は「正しい方向に愚直に注力できる人材」

を確保したい思いがあります。それが組織にある程度必要なキャラクターなのです。

TOEICは、TOEICのための正しい努力をすればスコアは誰でもあがります。

問題を解く順番や、出題パターンなどの傾向をつかみ、それをあてはめるのです。

 

ーー ただ、本質はそこではありません。これを聞くと、 

「やっぱり、TOEICは役に立たない。TOEICの勉強は就職のためだ。」

「本当の英語力をつけたい俺にとって、TOEICなんか勉強してられない」

という人がまだ出てきても不思議ではありません。

 

 

いいでしょう。てか、

あなたのいう本当の英語力って何?

TOEICの勉強の過程が、全て無駄だと思うの?

 

TOEFLで110点、IELTSのスコアが8.0、こういった人たちは

改めてTOEICの勉強なんかしなくても、十分英語の力はついているでしょう。

勉強よりも海外に飛び出し、遮二無二叩き上げでつける方法もあります。

 

自己啓発系の動画や、行動系You Tuberは、

机に向かうよりも現地に飛び出せと言います。それももちろん力になります。

ただ、TOEICだってよく使う単語の言い回しを覚え、長文をスピーディに読解し、

一発でキーワードを聞き取り、会話の流れを予測する。。。

こういった様々な言語の運用能力が鍛えられるのです。

 

努力にはいろいろな方法がありますが、いずれにも王道はありません。

 

ただ、簡単に自分の力を評価したいTOEICという環境が既に提供されているのです。

受験の費用も、他のテストに比べてかなりお手頃で、

受験者数で考えてもある程度正確なデータが取れます。

 

私が語学留学したとき、評価方法にTOEICを取り入れていました。

最初は、上記のような懸念もあって「あれ、TOEICでいいの?」

と思ったものですが、勉強していくうちに納得。

 

力をつければ、どんな評価方法でもちゃんと結果が出る。

 

 

いきなり海外に飛び出してスピーキング力を鍛えてもいいかもしれません。

一般的なTOEICではスピーキングやライティングの能力までは計測できません。

 TOEICの本質は、ある領域の努力が正当に評価されるプラットフォームです。

万能なテストなんてないんですから。

 

私も留学と前後の勉強でTOEICのスコアが200点以上アップしましたが、

英語運用力は上がったと実感しました。スコアは結果でしかありません。

 

 

これと同じようなカテゴリのもので、 

「東大卒は実社会の中で役に立たない。」

と一括りで話す論調があります。

じゃああんた、東大に入るだけの努力をしたのか?

(私は受験時、東大模試でE判定でした♪ 到底ムリ♪)

 

〇〇大入学は、ただの結果です。受験勉強によって得られるものは、

長期間の鬼のような努力による報酬or挫折 です。

 

もちろん、学歴を誇張してハラスメントするのは問題です。 

このあたりは教育論になってしまうので深く議論はしません。

言いすぎると、高学歴の権威化につながってしまうからです。 

 

私が伝えたいのは、努力した人を適切に評価してあげようということです。

「評価される」という報酬は、日本人のモチベーションに深くかかわります。

テストに限らず何事も、こういう小さな成功体験が必要だと思うんです。

少しでも学ぶきっかけになればいいじゃないですか。

 

 

努力をしている人は、努力していない人に、何もとやかく言われたくないですよ。 

それがどんな分野であっても。 

 

以上