狩猟採集新時代

大手上場企業を不動産投資で脱サラした30代が綴るライフログ

仮想通貨の高利回りな投資案件で友人が撃沈した話

昔々、あるインターネット上に、

とっても高利回りな投資案件がありましたとさ。

 

その名は「Bit Region(ビットリージョン)」

 

知っている人は、どうぞこの話を懐かしがってください。

知らない人は、大事な教訓を一つだけ覚えて帰ってください。

 

 

目次:

1.仮想通貨の投資案件は当時バグりまくっていた

2.「ポンジースキーム」はアホでもできるビジネス

3.高利回りに惹かれた私と友人の末路

 

 

ぶっちゃけ、当時はみんながみんな狂ってました。

世にも奇妙な物語で紹介されてもいいレベルです。

 

 

 


1.仮想通貨の投資案件は当時バグりまくっていた

 

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バブル経済” という言葉があります。

私が生まれた年がバブル崩壊だったので、

日本経済でそれを実感したことはありません。

 

しかし、仮想通貨(暗号通貨)界隈では数年前にありました。

2017年~2018年頭にかけ、ビットコインをはじめとするほぼ全ての通貨が

未曽有の上昇を見せていました。

 

 

それは2倍・3倍の上昇なんてレベルではありません。

それこそ100倍・200倍の世界です。

※参考:私が仮想通貨バブルに乗っかってブッコんだ話↓

仮想通貨で3000万円儲かって3億円損した話(前編) - 狩猟採集新時代

 


そんな時代のバブルの波に乗っかって、HYIP("ハイプ")

というものが徐々に流行り始めました。

 

ハイプとは、High Yield Investment Programの略です。

直訳すれば、仮想通貨に関連した”高利回り投資案件”です。

そのまんま!!

 


この案件というのは、どれくらい高利回りなのでしょうか?

普通、投資のリターンは、"年利○○%" という表現で表されます。

世界に名だたる一流のファンドマネージャーでも、

安定して年利15%を保てば、御の字でしょう。

 

年利を12で割ったものを月利なんて言いますが、

月利という言葉が頻繁に使われるのはヤミ金くらいでした。

 


しかし、このHYIPというものが出てきたとき、衝撃を受けました。

なんと月利30%。ひと月で、10万円が13万円になるというのです。

日利(にちり)という言葉まで登場し、もはや意味不明。

 

そのHYIPの代表的な案件が、冒頭で出てきた、

「Bit Region(ビットリージョン)」なのです。

 

なぜ、人はそんな荒唐無稽な利率の案件にツッコんだのでしょうか。

次は、そのカラクリを説明しましょう。

 

 

 


2.「ポンジースキーム」はアホでもできるビジネス

 

私がビットリージョンと出会ったのは、2017年10月のことでした。

とある合コンお食事会で知り合った男性から、

この「月利30%」の投資案件の話を聞き、早速登録しました。

 

 

私も最初、この数字には半信半疑でしたが、仮想通貨バブルのせいで

当時マーケット全体の雰囲気がイケイケドンドンになっていたのです。

すでに感覚のマヒが始まっていました。

 

ビットリージョンの配当の仕組みは以下の通りです。

 まずは、ビットコインで案件運営側に寄付(?)を行う。

 その後、引き出しできないロック期間(約1ヶ月)中に運用がされ、

 ロック期間終了以降に寄付した元本と配当が出金可能になる。

 

 

一体、どんな運用をすれば月利30%になるのか謎ですが、

当時この案件の情報はクローズなものとされていて、

先行者利益にあやかりたいと、どんどん人が喰いついていきました。

 

しかし、冷静になればわかるのですが、

仮に月利30%の仕組みが本当にあったら、

まず一流の投資ファンドが目をつけているはずです。

 

 

何のことはありません。

ビットリージョンのカラクリはとてもシンプルです。

つられて入ってきた人にまずは寄付をさせ、

その新しい寄付金で、既に寄付している人にお金を返します。

 

その際、高い利率を一緒に返さなければいけないので、

寄付してくれる人が常に増え続けなければ、成り立ちません。

さらに、そこから運営側への儲けも取るので、

寄付してくれる人が続かなくなった時点で、すぐに崩壊します。

つまり、壮絶な自転車操業だったのです。

 

 

この仕組みを、詐欺師の名前を借りて「ポンジースキーム」と言います。

当時は、このビットリージョンのようなHYIPが次々に登場し、

登場しては消えていきました。

 

こうした案件は、仮想通貨バブルの中であれば噂だけで集客でき、

しかもそのシステムは容易にコピーできるのです。

HYIP案件作成フォーマットが出回ったときは笑いました。)

 

 

日々乱立するHYIP達は、次第に差別化のためにエスカレートしていき、

日利どころか時利(1時間当たりの利率)という言葉まで生まれました。

もはや手が付けられません。

 

配当が上がれば上がるほど、スキーム崩壊までのスピードは速くなります。

新しいHYIPがリリースされたという発表からほんの数日後に、

その案件のサイトが「アクセス不可能(笑)」になることもザラでした。

時利1%のHYIPは、3日くらいでぶっ飛んでました。

 

 

ただ消費者もバカではなく(いや、やっぱり多分バカでした)、

そうしたHYIPは、ほぼ例外なくポンジースキームであり、

いつかは返金されなくなるものだと薄々気づいていました

 

しかし、いつかシステムダウンするのをわかっていながら、

ギリギリまで利益を増やしては引き出すという、

チキンレースの応酬が繰り広げられたのです。狂ってますね。

 

 

 


3.高利回りに惹かれた私と友人の末路

 

私はまた例によって、このビットリージョンに

100万円分ブッこんでました


我ながらギャンブラー。ポケモントレーナーでいえば、

一撃技を連打するような、クソなプレイングだったと反省しています。

 

実は、当時株塾で一緒だった友人も100万ブッこんでました

 

 

私は幸い、ロック期間が終わり、引き出し可能なタイミングなりました。

当時、まだこれがポンジースキームだとは認識されていなかったのです。

 

増え続ける配当をニヤニヤしながら眺める日々。100万円ブッこんだので、

一日ごとに1万円増えるのです。気分はもうウハウハです。

株塾で友人と会えば、ビットリージョンの話。

正直、チョロいと思いました。調子に乗りまくりです。

 

 

 

そんなある日、やはり事件が起こります。

2018年1月4日。

 

その日は偶然株塾の飲み会で、麻布でパーリィナイでした。

その飲み会の席でふと耳にした一言、

 

「ビットリージョン、そろそろヤバイみたいよ」

 

 

 

・・・・

 

私も薄々気づいてました。

月利30%、すごいなって。いや、怪しいなって。。。

私は株塾で習った大事な言葉を思い出しました。

「売りが売りを呼ぶ」

 

悪いうわさは、どこでもすぐに流れます。私は直感しました。

出金が出来なくなる・・・・!!

全員が怪しいと思っているに決まっていました。

噂が流れた時点で、出金申請が殺到するに決まっています。

崩壊へのカウントダウンはすでに始まっていました。。。。

 

人は愚かなもので、皆で危機に気づかないふりをしていたのです。

私は飲み会会場で急いで携帯のビットリージョンのアプリを開き、

速攻で全額の出金申請を掛けました。

 

 

・・・・

悪い予感は見事的中し、

いつまでたっても配当はおろか元金も出金されません。

やっと約1か月後、幸いにも元金だけ手元に戻ってきました。

 

 

しかし、悲しいことに友人は少しだけネットの情報などを様子見をして、

翌日に出金申請をかけたそうでした。

彼の元には、まったく帰ってこなかったのです。

 

半日の判断の送れで、生死が分かれてしまいました。

 

 

さらに恐ろしいことを伝えておきます。

なんと、この「ビットリージョンがヤバい」という噂を流したのは、

なんと別のHYIPの関連者だったのです。

 

自分の案件に人を呼びたいから、絶妙なタイミングで悪いうわさを流し、

ビットリージョンを崩壊させました。

人間の欲望と不安を見事にコントロールしたのです。

その新しいHYIPも、長くはもちませんでしたが。。。。

 

 

 

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これは、懐かしい人には懐かしい話です。

ですが、未だにこういったHYIPが、形を変えてあるそうです。

「形を変えて」と言っても、ポンジースキームには変わりありません。

 

 

大きな教訓として、当たり前の言葉を残します。

「怪しい話には裏がある」

 

 

 

以上