狩猟採集新時代

大手上場企業を不動産投資で脱サラした30代が綴るライフログ

「美味しんぼ」を通じてわかる”本質直観"

"本質直観 (ほんしつちょっかん)" 

という言葉をご存じでしょうか。

 

 

本質直観とは、私たちが「本質を捉えた」と確信していること

それ自体を手がかりにして、むしろその根拠を疑い、問い直す作業を意味します。

要するに、本質を捉えることが大事だよね、というのではなく、

自分の確信がどのようにして成り立っているのかを確認していくのです。

(引用元⇒水越康介さん:首都大学東京大学院ビジネススクール 准教授)

 

 初っ端から、ちょっと哲学的になってしまいましたね。

この本質直観が、毎日のビジネスにも、生活にも、投資にも、

とても大事になってくるというお話です。

 

 

私なりに本質直観を自分の言葉で書くと、

自分の中に確立された判断基準、評価基準、物事の正体などを見つめなおし、

新しく学んだことや体験したことからそれらを再度組みなおす。

という風に解釈しています。

 

 

さて、そんな少し難しい概念の本質直観について、

分かりやすく考えさせられるアニメがあります。

それが、美味しんぼです。

 

f:id:Oppekepe1900:20200402115443j:plain

私が大好きなキャラ、富井副部長

 

美味しんぼ」、説明不要の有名なタイトルです。

現在、大量のアニメがNETFLIXで配信されています。

私も、そのアニメを見まくっている一人です。

 

主なストーリーとしては、別にバトルの様な起伏があるものではなく、

食べ物をキーワードとした、多種多様な人間の愛憎劇です。

毎回、何かしらの食べ物・料理が話の核になっているのです。

 

 

驚くのは、その”食”に関する情報の量と質。

食材、調理法、食文化については、実際に入念な取材と調査をしたらしく、

各回に、深い情報が盛り込まれていて、感心させられます。

 

美味しんぼは漫画が原作なわけですが、その歴史は1983年にさかのぼります。

現在は休載しているものの、ずっとビッグコミックスに掲載を続けてきており、

単行本はすでに100巻を超えています。ゴルゴ13こち亀レベルです。

 

 

 

そんな美味しんぼ、私がアニメを見始める前情報として

「登場キャラクターの性格が全員悪い」と教えられました。実際見てみると、

確かに色々と料理や人間に難癖つける奴らのホント多いこと多いこと。。。

 

しかしそんな奴らも、ひとたび料理を口にしてみると、

 ”この豊潤さといったらどうだ?(感嘆)”

 ”私の食べっぷりを見て分からないのっ!?(照)

 ”なんちゅうもんを喰わせてくれたんや、なんちゅうもんを(号泣)”

 

まるで人生がガラリと変わったような、賞賛の嵐。

人間、こんな素直じゃねえだろ、と毎回ツッコみたくなります。

本当にそんな美味しいものを食べたら、感動で人間変わってしまうのかも。

 

 

よくあるストーリーの流れとしては、

お偉いさん(以下、偉)に主人公の山岡(以下、山)

食べ物関係で何かしらのいちゃもんをつけ、

偉:「フッハハハ、〇〇の味がわからないとはな、この若造が」と言われ、

山:「こんなのは下らない。本物の〇〇を教えてやりましょう」とけしかけ、

全国、あるいは海外の津々浦々から最高のクオリティのものを提供し、

偉:「こ!これは!! 今まで体験してきた〇〇はなんだったんだ!」

山:「それはーーーですよ」 と解説し、

お偉いさんは本質を問いただし、ハッピーエンド。

というパターン。 

 

 

これら登場人物は、最終的に自分の中で出来上がっていた

最高の○○ の概念が、山岡の持ってきた料理・食材によって覆されます。

 

もちろん、アニメなので多少大げさな描写も否めません。 

「◇◇の旬」、「ブランド△△」という、固定概念を打ち崩すものや、

「□□の定義」そのものを問いただす回もあります。

 

これは、本質直観に関わる問いです。

 

 

人の中には、それぞれの価値・基準があります。

それをもとに常に思考し、日々の行動を決めています。

 

働くことで得られたお金が最も尊いもの。楽して手に入れた金に価値はない。

夫婦生活がうまく行かないのは往々にしてキレやすい妻のせい。

昔から続くこの業務手順に則っていれば、一番効率的だ。

 

これらは、常識的に思ってしまっているフレーズの一例です。

特に、仕事や家庭生活などで慣れてしまって常識化してしまったことは、

そう容易に変えることはできないように思われがちであり、

正直変える必要性もない、と思っている人も多いと思います。

 

 

しかし残念ながら、時代の流れを受けて、

概念そのものを変えなければならなくなってきます。

最新の量子物理学では、光子などの粒子を

「観測している側が観測対象に影響を与える」ことがわかりました。

究極的に言えば、観測者の意図(思い)をモノに伝えて変化させることができる

可能性があるということです。

 

私も、書籍でこのことを知ったときは、概念を受け入れるのに苦労しました。

そんなの、これまでの常識ではあり得ないからです。

ですが、もしかしたら30年後の常識になっているかもしれません。

 

 

毎日の習慣の力に対抗するのさえ難しいのに、

それを構成する自分の常識を変えるのは、日々意識するしかありません。

自分の基準や常識はどのように構成されているのか。

 

逆にこのことに気づいて、本質直観を再構成すれば、

理論上何でもできるし、何にでも成れるのです。

 

 

本質直観の感覚を掴むエクササイズとして、

美味しんぼ、おすすめです。 

 

  

以上