狩猟採集新時代

大手上場企業を不動産投資で脱サラした30代が綴るライフログ

日本人が運転する車はインドの路上で1時間で廃車になる理由

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あれは、私が生まれてはじめて

海外旅行に行った時のことです。

 

2011年3月、タイとインドへの旅行でした。

その時、飛行機に乗るのも初めてだったので、

フライトバージン喪失の興奮冷めやらぬまま、

バンコクスワンナプーム国際空港に到着。

 

 

ホテルとフライトだけ確保したツアーだったので、

空港まで旅行会社スタッフの方が

送迎バンで迎えに来てくれました。

 

空港からホテルまでの道のりは、スリルそのもの

かれらの運転はまさに「クレイジー

日本の運転とはガラリと違う世界を体験し、

私は旅行のしょっぱなからインパクトを受けました。

 

 

この記事では、そんな経験を踏まえて、

"日本人の運転は本当に安全運転なのか?"

という問いに答えていきたいと思います。

 

 


目次:

1.東南アジアの路上は超絶テクのオンパレード

2.日本人ドライバーは本当に安全運転なのか?

3.車の運転は「複雑系」として捉えるべき

 

 

 


1.東南アジアの路上は超絶テクのオンパレード

 

さて、私の初海外旅行の話の続きです。

 

バンコクの空港からホテルの間に、

送迎バンは高速道路を走るのですが、

なんか皆が飛ばす&追い抜きます

 

しかも、道路は渋滞していないのに高密度。

時速90kmなのに、車間距離はマジで1m程度。

車1台が入れる隙間があれば、

スイスイ間を縫って進んでいきます。

 

私は、"何てヤツの車に乗ってしまったんだ!"

と、肝っ玉を冷やしました。

このクレイジードライバーが特殊なのだと。

 

 

しかし、街中のタクシーの他の送迎車も、

みんなクレイジードライバーでした。

特に、バンコク市街をトゥクトゥクで移動するとき、

片道1車線のそこまで広くない道路を、

3.5車線くらいで使っているのをみて笑いました。

トゥクトゥクとなりのトトロに出てくるような3輪自動車のタクシー。

 

 

この交通マナーの洗礼は、

次の国、インドでさらに倍増します。

 

インドは、タイのアグレッシブさに加え、

壮絶なクラクション合戦が繰り広げられます。

 

歩行者が前に居ようものなら、どかすためのクラクション(インドは自動車優先)

追い抜くときの、念のためのクラクション

信号待ちでイラついて時の、怒りのクラクション

友人を見つけた時の、挨拶のクラクション、などなど。

 

デリーのホテルにいるとき、外の道路から

ラクションが聞こえない瞬間がありませんでした。

 

 

また、自動車優先の国にも関わらず、

歩行者もアグレッシブに横断したり、

停車中に窓ガラスをトントン叩いて

乗車してる人に謎の商品を売ってきたりします。

みんなパワフル。。。

 

 

さらに、トゥクトゥク(※)は普通、

定員が運転手含めて3名程度ですが、

そこに5~6人で乗っているものもあり、

彼らの手足が到着するまで無事なことを祈りました。

(※インドでは"リキシャ"や"オートリキシャ"と呼んでました)

 

もうそんななので、町を車で走るだけで、

いろいろな曲芸を目にすることができて飽きません。

その代償として、自分自身もハラハラしますけどね。。。

 

 

 

ちなみに、ベトナムハノイでは、

原チャリに乗りながら弁当喰ってるヤツ

がいました。

 

ベトナム人だろうと日本人だろうと、お手ては2本です。

左手に弁当、右手にお箸。両肘でハンドルという荒業でした。

まさに、達人技です。

ブレーキをどうかけてるのかは知りません。

 

 

 

 

2.日本人ドライバーは本当に安全運転なのか?

 

そんな「トンデモ運転ショー」に縁が無い日本は、

とても安心して運転できます。

信号や交通マナーさえ守っていれば、

滅多にハラハラする体験はありません。

 

 

日本の運転免許証は、

世界で最も信用されているライセンスの一つです。

国際運転免許を2000円くらいで取得さえすれば、

先進国のほとんどの国で車を運転することが可能です。

 

逆に、西洋人やアジア人が旅行で日本に来た際、

日本でレンタカーを借りて運転することは滅多にありません。

 

これらの状況を踏まえると、"日本人は安全運転で、

日本の交通マナーは世界的に見ても高水準"

言えそうな気がします。

 

 

ですが私は、この考えは逆だと思います。

 

私はぶっちゃけ、インドで「この国で絶対運転したくない」

と思いました。運転したら、3秒で事故る。。。

いや、怖くて動き出せずに、おっかなビックリ動き出したら

1時間くらいでぶつかられてオシャカになっちゃう。。。

 

インドに限らず、日本法人のアジア駐在員は

車の運転を禁止されていることが多いと思います。

でも、現地で生きる人々は、同じ人間であるのに、

見事に事故らず運転しています。

 

 

つまり、彼らは運転自体が上手だと考えざるを得ません。

日本は、ガチガチの交通マナーでしっかり教育されていますが、

彼らはカオスの中でも事故らずに運転できるスキルがあります。

 

東南アジアの国の人が日本で運転した場合、

とてもみみっちく感じてしまうでしょう。

 

ただ、そのみみっちい交通ルールのおかげで、

交通事故件数は少なく抑えられているように見えます。

 

 

しかし、悲惨な事故の発生は後を絶ちません。

これは、日本人が交通ルールに守られすぎている

ことが一つ原因であるかもしれないと考えています。

 

 

 

 

3.車の運転は「複雑系」として捉えるべき

 

複雑系という言葉があります。

 

複雑系相互に関連する複数の要因が合わさって全体としてなんらかの性質(あるいはそういった性質から導かれる振る舞い)を見せるであって、しかしその全体としての挙動は個々の要因や部分からは明らかでないようなものをいう。(Wikipedia

 

ちょっと難しい概念ですが、これを自動車の運転で考えると、

これは「自分の車」だけに集中するという考えではなく、

車全体の動きを把握することが重要になってきます。

 

突然車線変更してくる車、

場所を選ばず横切ってくる歩行者、

後ろから追い抜こうとするバイク、

東南アジアのドライバーは、これらに機敏に反応します。

 

 

 

さらに、運転そのものは荒いものの、

譲り合いの精神というか阿吽の呼吸のようなモノがあるのです。

お互いに様子を伺いながら、

全ての車が事故らず最も効率的な動きをするのです。

 

まさに個々の動きだけでは説明できない

複雑系のシステムだと感じました。

 

彼らには、視界にある車全体の動きが見えていて、

全体として動きを捉えているとしか思えません。

それらがお互いに影響しあっているから、

超高密度で運転しても、事故らないでいられるのです。

 

 

日本人は、良くも悪くも

「ルール・マナーさえ守れば大丈夫」

という考えが強いように思います。

横断歩道を渡るとき、念のため左右を確認しなかったり、

自分の能力を過信して、免許を返納しなかったり。

 

"俺はルール・マナーを守っている" という

利己的な考えになってしまったら、

他の車のことを

複雑系で考えることは難しくなります。

 

 

ルールやマナーはもちろん重要ですが、

一見クレイジーに見える東南アジアのドライバーからも

学ぶべきものはあると思います。

 

 

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では最後に、私が今も運転するときに思い出す

とあるインド人ドライバーの言葉

締めくくりたいと思います・・・

 

 

 

"運転のコツ? それは3つあるんだ。

 Good Brake! (いいブレーキと、)

 Good Horn! (いいクラクションと、)

 Good Luck!! (※これが一番大事。。。)"

 

 

 

以上