老後の貯金2000万を今から確実に作る方法
麻生太郎金融担当大臣が、昨年、
「老後のために各自2000万円は貯めてね」
と発言したことは、記憶に新しいかもしれません。
これは、厚生年金や国民年金だけでは、
老後の生活が保障できないということを意味します。
つまり、国は高齢社会に関して、サジを投げているのです。
日本の実質賃金は過去と比較して低下してきており、
実際雇用そのものも安定するとは言い難い状況です。
参考記事↓
グローバル人材に、あなたの仕事がバシバシ奪われていく理由 - 狩猟採集新時代
そんな不安定な状況の中、貯金できない家庭も多いのに、
気軽に「2000万貯めろ」とは、
一般的な日本人家庭のお財布事情から、かけ離れた発言です。
この記事では、そうした漠然とした未来の不安に対して、
どうしたらその2000万円をつくれるのかをお伝えします。
主に投資の基礎的なお話になります。(数字多めです)
目次:
1.超現実的で確実な方法が一つ
もし、わくわくしている方がいたら申し訳ございません。
残念ながら、裏技なんていうものはありません。
現在の生活の中から、2000万円をなんとか工面する方法。。。
それは、収入の一部を投資に回すことです。
ない袖は振れないんですから。
もし、真面目にコツコツ日本の銀行の積立をやっている方がいれば、
それは素晴らしい心がけです。
もし、まったく貯金が無いという方がいれば、
今すぐファイナンシャルプランナーにでも相談して、
毎月の金額を見直すようにしてください。
ぶっちゃけ、貯金ゼロ(預金合計残高が給与所得1ヶ月分未満)というのは、
武器ゼロで全線で戦っているようなものです。
ワイルドでカッコいい生き方とも考えられますが、
多分そのカッコよさそうな人も、こっそり貯金しています。
すみません、厳しい言い方をしますが、
極度の貧困に悩んでいる方にも伝えなければならない事実として、
将来は国はあなたを助けてくれないのです。
だから2000万円貯めろなどと口が滑ってしまうのです。
現在は生活保護の制度もありますが、それもいつまで続くか。
できることは、今のうちからやっておきましょう。
そのための方法を説明していきます。
2.年代別、還暦までの2000万円作成法
”投資はお金持ちのためのものである”
多くの人がそう思い込んでいる理由は、以下の投資の性質が原因です。
投資からの利益 = 元本×利率×時間
正直、元本があれば利益もその分多く上がります。
同じリターン(利率)で同じ時間であれば、元本は多いほうが良いです。
だからといって、お金のない人に投資ができないわけはありません。
貧乏人だろうと、大金持ちだろうと、
誰にでも、時間は平等に与えられています。
この時間というものを味方につけるのです。
どういうことかというと、「複利」というシステムがあるからです。
例えば、10,000万円を銀行に預けて、1年後に1%の利息がついたとします。
すると、100円の利息がついて銀行の残高は10,100円になります。
ここまでは簡単な計算です。
1年後10,100円だったら、2年後は単利だと10,200円になります。
ですが、複利の場合は、利息にも利息が付きます。
つまり2年後には、元本への利息100円と、利息への利息1円がついて、
10,201円になるのです。
複利のほうが、単利に比べて残高が1円増えました。
これだけだと、 ”なんだ、たった1円か” と思うでしょう。
ここで、試しに30年後の残高を比較してみましょう。
単利:元本 + 10年分の利息 = 10000+ 100×30 = 13,000円
複利:利息にも利息が付くので、元本×(1+利率) = 10000 *1.01^10 = 13,478円
500円近い差になりました。
では、この複利のパワーを最大限に活かして、
60歳までに2000万円をつくる方法を、年代別にお伝えします。
①20代の場合
20代の方は、学生の方もいることでしょう。
給料も決して高くなく、毎月投資に回せるお金に余裕がありません。
少なくとも、就職して仕事がある程度落ち着いたら、
30歳から、月に25,000円ずつ確実に積み立てられるように準備してください。
年間5%で運用していければ、60歳までに約2,080万円になります。
出資総額(実際の払込総額)は900万円です。
①30代の場合
30代の方は、就職後少しは給料が上がってきているかと思います。
とはいえ、結婚や育児などで毎月投資に回せるお金に余裕はまだありません。
それなりの切りつめが必要ですが、自分一人の将来のために、
40歳から、月に50,000円ずつ確実に積み立てられるように準備してください。
年間5%で運用していければ、60歳までに約2,055万円になります。
出資総額(実際の払込総額)は1,200万円です。
①40代の場合
40代になれば、日本は年功序列の企業も多いのである程度の収入はあるでしょう。
収入があるからといって、支出をむやみに増やしてはいけません。
なぜなら、60歳はすぐそこなのです。
50歳から、月に130,000円ずつ確実に積み立てられるように準備してください。
年間5%で運用していければ、60歳までに約2,019万円になります。
出資総額(実際の払込総額)は1,560万円です。
さて、これらを纏めると、60歳までに2000万作るには、
30歳からの積立 ⇒ 毎月2.5万円 で合計900万の積立
40歳からの積立 ⇒ 毎月5.0万円 で合計1,200万の積立
50歳からの積立 ⇒ 毎月13.0万円 で合計1,560万の積立
(年利5%の運用の場合)
となります。
以上から分かる通り、複利は時間を味方につける運用です。
30歳から始めれば、50代になっても積立額は2.5万円のままです。
スタートが早いほど、払込総額も格段に少なくなります。
早く始めない理由はありません。
ちなみに投資と言っても、別に不動産を買えと言っているわけではなく、
実質リターンが5%という商品は、案外あります。
主に海外の投資ファンドなどです。
生命保険会社などを通じて、月数万円から購入することができます。
もちろん、投資なのでリスクがゼロではないのですが、
年平均5%というのは、決して危ない数字ではありません。
日本の定期預金の利率が低すぎるので、それに慣れているだけです。
※ぶっちゃけ、定期積立に投入しているほうがずっとリスクだと考えます。
3.一番の安心はスキルをつけること
ここまで、どうしたら60歳までに2000万円つくれるのか、
投資にフォーカスして説明しました。
これは、とても現実的な方法で、まったく夢や幻想ではないのです。
ただ、収入の一部を投資に回し、それだけに頼るというのも、
受け身な姿勢なのです。
やはり、能力や知識をつけて、会社内・職場内で自分の待遇・給与を上げる、
副業をスタートして、数万円でも収入の柱を作っておくなど、
受け身ではない姿勢が、最終的に何よりの安心に繋がります。
参考記事↓
副業には半端じゃないエネルギーが必要な理由(前編) - 狩猟採集新時代
投資でも、勉強でも、副業でも、
未来が決まっているのなら、できることがあるはずです。
何にせよ、スタートするのに遅すぎるということはありません。
以上