狩猟採集新時代

大手上場企業を不動産投資で脱サラした30代が綴るライフログ

「日本は素晴らしいから観光客が多い」という嘘を信じる人へ

出だしからネガティブな内容ですね。

朝からなんちゅう物言いなんだと。

 

日本は素晴らしい国。

綺麗な水と美しい自然、礼節を守る民族性、

文化的にも優れ、世界的に有名な企業も多い。

 

 

これらは嘘だとは思いません

ですが、こういったポジティブイメージが強い人にほど、

事実を知っていただきたいのです。

 

 

目次:

1.年間3000万人の旅行者ゲット!の代償

2.海外赴任は生活すらできない地獄

3.では我々はどうすれば良いのか

 

 

 

 

1.年間3000万人の旅行者ゲット!の代償

 

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日本は今、"円安(えんやす)" です。

「円安」とは、その名の通り円が安いことです。

世界の中で「安く売られている」という表現もできます。

 

具体的に説明するために、ドルを例にとりましょう。

2007年頃の円高だと、100円を買うには1.2$くらい必要でした。

それが今では円安なので、100円を買うには0.9$くらいでOKです。

「円安」の名の通り円が安く売られているのがわかったと思います。

 

 

円安は、日本政府が意図的に進めたものです。

円安だと良いことがあります。

それは、自動車などの輸出メインな産業の場合、

$の価値が相対的に上がるため、貿易で儲かります

 

そのため、アベノミクスによる円安は

こうした外貨の獲得による経済成長を意図していました。

その効果はあったかどうか、正直私はよくわかりませんが。

言い出した張本人が肝心のアメリカとの貿易交渉で

負けてちゃ意味ねぇじゃんとは思いましたが。

 

 

逆に円安だと、相対的にドルなどの外貨が高くなり、

海外旅行に行きにくくなります

私のような旅行好きの人間にとっては、

昔の円高時代がちょっと恋しくもありますね。。。

 

そう、これは海外の人にとっても表裏一体。

円安とは、円が安く買える状態なので、

日本への旅行はとってもお買い得になるのです。

だから、爆買いなんてことが起こるのです。

日本国内が大バーゲンセールなのですから。

 

 

誤解している人がいたら念のため言いたいのですが、

日本に来るような中国人やタイ人、韓国人は

その辺の日本人よりも金持ってます

 

未だに、「日本はアジアでトップ」と勘違いしている

時代が1980年でストップしているおっさん然り、

危機感を感じられない人たちが多くいると思います。

 

日本への旅行者数は、年間約3000万人と言われています。

彼らは、日本があまりに素晴らしいから旅行に来るのではなく、

お得だから来ているのです。

 

400円で美味しい牛丼が食べられ、

3000円の居酒屋でも素晴らしい接客が受けられます。

こんなコスパが良い国あったら、皆行きますよね?

 

 

もちろん、日本独自の良さを否定するつもりはありません。

私が外国人だったら、

きっと旅行するには面白い国だと感じます。

 

しかし、最近の観光客の爆増は、

日本の観光業の積極的なアピールや、本質的価値の増大ではなく、

円安によって発生したものであることを忘れないでください。

 

 

 

 

2.海外赴任は生活すらできない地獄

 

観光客が増えたなら、円安も悪いことないじゃん。

と思う方もいるでしょう。もちろん観光業は潤います。

しかし、円安によるデフレ(物価が安くなること)によって、

国際的に見れば、ちょっと笑えない状況を作り出します。

 

 

ある日本法人のシンガポール支社に赴任の若手社員は、

「スーパーで日用品も買えない状態」になっているようです。

親御さんが日本から日用品を買い込んで、現地に届けているとか。

 

現地の物価が高すぎて、外食はおろか日用品の購入にも

困ってしまう状況であると知り、衝撃を受けました。

日本は確実に、裕福ではなくなっていると。

 

 

私も、6年前にシンガポールに行ったときでさえ、

バーのカクテル1杯が2,500円という数字に驚きました。

最高級ホテル並みの価格設定です。

 

その時は、なんて高い店だ!と感じたのですが、

心のどこかで、

シンガポールが日本と比べて物価がこんなに高いはずない

と信じたかったのかもしれません。

 

 

私は、昨年茨城県の農家さんで研修生活をしており、

2週間ほど外国人研修生の人たちと生活を共にしました。

彼らは農作業の合間にせっせと準備し、専ら3食自炊します。

日本の外食は贅沢なので、月に1食程度のラーメンを楽しむ程度です。

 

彼らは、日本でお金を稼ぎ、自分の国の家族に送っています。

現地の物価などから一回ざくっと換算してみたのですが、

おそらく時給4,000~5,000円相当で、

換算した年収は1000万円近くになります。

 

そう考えると、まだ日本は魅力的な勤務先であり、

日本で働くことは、合理的な選択なんだなあと感じました。

彼らの国の物価がこれから上がってくると、

状況が大きく変わってくるかとは思いますが。

 

 

一方で、上記の日本法人の方は悲惨な状況です。

シンガポール法人であれば、給与は現地の水準になります。

しかし、日本法人なので当然、給与は日本水準なのです。

 

シンガポール赴任という、華やかなイメージとは裏腹に、

現地の物価から考えれば、換算時給は1000円程度かもしれません。

社会人として、生活に困ってしまうでしょう。

 

円安と、それによるデフレによって、

海外駐在の社員にとって厳しい現実が押し寄せています。

 

 

"アジアはどこに行っても物価が安い!" のはもはや昔話、

他の国は、ここ30年でどんどん裕福になり物価が上がっているのに、

日本はここ30年でほとんど物価が上がっていません。

 

ひどい言い方をすれば、日本は「沈みゆく船」です。

 

 

 

 

3.では我々はどうすれば良いのか

 

「沈みゆく船」に乗る我々は、まず大きな決断をしましょう。

日本を去るか、日本に残るか

 

しかし大多数の人にとって、簡単に日本を去って移住するのは、

現実的な選択肢にはならないでしょう。

海外に行ったからといって、スキルがなければ働くのも難しいです。

※参考記事↓

グローバル人材に、あなたの仕事がバシバシ奪われていく理由 - 狩猟採集新時代

 

 

日本に残る選択をする場合、解は2つあると思います。

「国際比較の視点」と「政治的主体性」です。

 

 

まず、国際比較の視点とは、世界の実情を知ることです。 

日本で普通に暮らしていると、

景気が良くなったか悪くなったらわかりません。

 

本当は、海外に行って現地の雰囲気を知るのがベストですが、

そこまでしなくても、

海外メディア(日本語もあります)から情報収集したり、

国際的なニュースを積極的に知るだけで、

日本との比較材料が出来ます。

 

グローバル社会の中、日本は鎖国でもしない限り、

絶対に諸外国の影響を受けてしまいます。

なので、日本だけのことを知っていればいいやと、

自ら取り残される事を選択するのはあまりに愚かです。

 

人間には「正常性バイアス」が働いているので、

まずはそれを破壊してください。

※参考:正常性バイアスについて説明した記事↓

リストラ対象にならない優秀な社員が辞めていく理由 - 狩猟採集新時代

 

 

もう一つの政治的主体性も、そのままの意味で、

政治に主体的に参加しようよということです。

よく聞く話ですが、今の政治はジジババのための政治です。

政治家も人間であるため、なんだかんだで

自身のポジションを確保したがります。

 

ジジババのほうが選挙に行くので、

若者向けの政策を打ち出すより、

ジジババ向けの政策を打ち出したほうが、

当然のごとく政治家の当選率は上がります。

 

ジジババに向けた住みよい社会が作られると、

より若者が政治に対する興味を無くし、

さらに投票率が悪くなるという悪循環

 

 

お恥ずかしい話、私も社会人になりたての頃は、

そういった政治への参加への興味がありませんでした。

見事に悪循環にハマっていましたね。

 

これには、若者自身が危機感を感じていくしかありません

国際的な視点があれば、今の日本社会の

良いところ悪いところが浮き彫りになり、

少しはベターな道が分かってきます。

 

目先の面倒くささを乗り越え、政治や経済を少しでも学んで、

投票にチャレンジするのも、かなりいい勉強になります。

 

 

 

 

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と、暗い話題になりましたが、

私は日本が結構好きです。

メシはウマいし、文化も面白いですし。

 

色々大変な世の中ですが、

情報を集め、スキルを学ぶことで、

「沈みゆく船」に乗っていたとしても、

うまくやっていく方法があると信じています。

 

 

 

以上